コマミヤンの日記

人がやっているのを見て僕もやってみたいと、そう思い勢い任せで始めてみました。漫画とかアニメとか、そっち系のものが趣味ですけどそんなに詳しくはないです。基本的には自分が何かのタイミングで思ったこととかを書く日記になりそうです。仲良くしていただけたらとてもうれしいです。

怖い話が怖い話

 ホントはなかった怖い話。これがホントのホラ話(ホラー話)ってなもんだい。と、冒頭からお後がよろしい感じにしてしまったけれど、今日はこの時期の風物詩であるホラー物と自分について語る。

 僕は怖いのが苦手。とても苦手。怪談話やホラー映画はもちろん、遊園地のお化け屋敷なんぞでも足を踏み入れてなるものかの心構えである。お化け屋敷に関しては昔ディズニーランドのシンデレラ城という絶叫アトラクションに登場する悪い魔女(シンデレラには悪い魔女などいないはずだが・・・)に心底恐怖し泣き叫んだというトラウマがあり、これは単純にビックリさせられるのが苦手という風で、やれ心霊現象だの超常現象だのという話とは変わってくるかもしらん、とにかく恐怖心を煽るお話が心底苦手で、我ながら何とも肝っ玉の小さい男なものだと思う。

 基本的に怪談話からは目をそむけている。子供の頃はどこかのマンガあたりから引っ張ってきたような「七不思議」や、毎年公開される「学校の怪談」なんていうキッズ向けの映画が周囲では流行っていたが、そんな恐怖体験で盛り上がる輪からは距離をおいていた。

そんな風に過ごしていてもどこかで怪談話にはぶち当たってしまうもので、たとえば地区の子供たちで行うキャンプなど、夜の時間に子供たちが集うイベントがあると、何故だか知らないが教師や保護者、もしくはボランティアのおばさんなんぞが「はーい集まってー」なんて言い出して、何の嫌がらせか怪談話をご満悦に披露してくれるものだった。

 みんなとカレー食べてテント張って、さてどうやって大人の目を盗んで夜更かしをしてやろうかなんて企みに心躍らせているというのに、何が楽しくて少女の命が食いつぶされるような話を豪華3本立てで披露されねばならんのか。そんなに僕の小便が見たいのか。「じゃあ、最後は少し明るいお話を」って、だったら最初からするんじゃない。そんなもので恐怖の上書きができるか。

 うむ、今書いて思ったけれど、これってどうせガキが調子に乗って夜更かしとかするだろうから怖い話聞かせて鼻っ柱をへし折ってやろうという汚い大人の狙いがあったのだろうか。眠れなくしてどうするとも思うけれど。

 ビジュアルやBGM、演出で容赦なく恐怖心を植え付けてくるホラー映画なんぞは僕の最も恐れるところで、ベタだけれども呪いのビデオでおなじみ「リング」がトラウマだ。これくらいの有名作品ともならないと近づきもしないので、他のものも見ていたとしたらほとんど確実にトラウマになっていたのだろうけれど、まぁとにかく呪いのビデオの恐ろしさったらない。

 ビデオを見たら七日後にテレビから貞子がやってくるなんていう設定だけでめまいがしてくるというのに、中学生のころにテレビで放映されたリングを少々怖いもの見たさで一からストーリーを追って見てしまった。後悔した。最後、助かったと思っていた男の家の電気が消えたところなんか全身から血の気が引いて足腰が立たなくなった。おかげで深夜アニメを撮りためていたビデオテープを再生するたびに緊張するハメになるわ、夜に学習塾から帰るときに電気のついていない家の中では今まさに貞子が・・・!なんて想像をして全力で自転車を漕ぐわ、誰もいないリビングには実は今貞子がいて特になにもしないでくつろいでいるとか、そういう想像をしてしまう呪いにかかってしまった。もし、今から見ようとしているこのビデオがいつの間にやら呪いのビデオとすげ替えられていたとして、僕の環境では呪いの回避方法であるダビングが出来ないぞと大慌てだったが、だれに死んでもらう算段だったのやら。

 ちなみにリング、2以降は見ていない。こわいのだ。所詮映画の中の出来事だ架空の話だとは言うけれど、呪い呪われの出来事がひょっとしたらこの世の中のどこかで現実として繰り広げられているかもしれないと僅かなりとも想像さえ出来てしまえば、ゲーム大好きマンガ大好きの夢見がちな精神の持ち主、空想を空想であるという理由で軽視することができない人間の意識はあっさりと作り物の恐怖に飲み込まれるものなのだ。

 

 さて、ここまで僕のノミの心臓っぷりを披露してきたけれど、僕が心霊ものがおっかなくて仕方がないのだという話をすると、少年時代の僕を知る人なんぞは皆意外だと言う。それは決して僕が何に対しても物怖じしない勇敢な漢であると思われていたわけでも、僕自身が生気のない幽鬼染みた面構えだったからでもない。意外であると口にした知人は決まってこのように続ける。

「だってお前んちの横、墓じゃん」

 そう、僕の家は墓場と言ういかにも「出そう」なスポットに隣接していたのだ。そしてなんとも罰当たりなことに、夜は墓場で運動会とまではいかないが、夕方墓場で鬼ごっこ、かくれんぼ、ジョギングwith近所のおじさん、等々様々な遊びの場として活用していたのだった。楽しいな、楽しいな。

 そんな墓場に馴染み深い僕が幽霊怖いだなんて言うと、確かに「どの口が・・・」となるのもわかる。ただ、僕にとって墓場と言うのはきちんと埋葬された死人が安眠している場所という印象があり、悪霊蔓延る心霊スポットなんぞとはむしろ対極の場所であるとすら思っている。

 安眠を妨害する罰当たりなことをしたら祟られるのではないかという考えはあった。なので墓場を荒らすようなことはしていなかったけれど、鬼ごっこなんかをやると墓石を挟んで相対したとき、「やい、そこを通り抜けてくるなよ。罰が当たるからな。来れるもんなら来てみろ」などと煽られ、そんなときは「ごめんなさい」と声に出しながら墓石を踏み越えたりしていたっけか。

 程よい幅の直線というのが自転車や一輪車の練習として丁度よかったので、入門コースとしても兄弟で代々活用なんかもしていた。ペダルを回せるようになったら次は直角の曲がり角というのもカーブの練習に活用し、墓場内を自由に走り回れるようになることが一人前であるという認識が我が家にはあった。しかし今にして思えば、夕刻に一輪車に乗った子供が甲高い笑い声を発しながら墓場を走り回るというのもややホラーでなかろうか。

 遊び場どころか、通学路ですらあったりも。僕の通う小学校は家から出て道路を一本わたるだけの場所にあったのだが、通学班の都合でわざわざ少し迂回をして班の集合場所に行かなくてはならなかった。その集合場所というのが墓場を挟んだ先の、その墓場を所有する寺の境内だった。毎朝墓場を横切って通学する僕の姿というのは学校の3階くらいから覗き見出来たのだそうな。

 あの墓場に関する思い出というのは掘り返せば際限なく出てきそうなので、この辺でぼちぼちお開きといこうか・・・墓地だけにね!!!!!!!

(会心の笑みとともに去りぬ)

 

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