コマミヤンの日記

人がやっているのを見て僕もやってみたいと、そう思い勢い任せで始めてみました。漫画とかアニメとか、そっち系のものが趣味ですけどそんなに詳しくはないです。基本的には自分が何かのタイミングで思ったこととかを書く日記になりそうです。仲良くしていただけたらとてもうれしいです。

水の都(埼玉)

 梅雨入りと言うことで雨の降ることが多く、駅まで自転車で通勤している身としては少々しんどい。しかし昔はこんな時期だろうと、地元の駅以上の距離のある高校まで自転車で通学していたのだと振り返ると、昔はタフネスだったなと老いを感じる今日この頃。

 先々週辺りは「梅雨の時期だから」で済むのかと思うような雨量が連日続いた。もうこれは異常気象と言っていいのではないか、などと考えていると一つ思い出したことがあった。そしてさらに、その内容でブログを更新でもしようかなと考えていたことを、これまた最近思い出した。少々タイムリーでない内容なのだけれども書き起こしておこう。

 

 連日の強雨の中、僕は車を運転していた。目的地に向かう途中で先程言った高校時代の通学路を通ることになったのだが、そこは大雨の際に冠水することでおなじみの団地だったため「迂回してください」との看板が下げられていた。ただその看板は休日の朝と言うことで置きっぱなしのものだったのかしらん迂回する必要はなかったかもしれなく、通るはずだった道との合流地点では普通にその道からの車が合流してきていた。連日雨が強かったとはいえ、台風などの大嵐とまではいかなかったのでそこまで派手な冠水ではなかったのだろう。

 高校での3年の内その団地が豪雨で水浸しになるというのは何度か目にしたが、とりわけて大きな豪雨の際、その団地にはなんとゴムボートが出張する素敵な配慮がなされる。雨が好きな人なんてのは当然少ないだろうが、幼いころに水浸しの道路で遊んだり、水の溜まった遊水地に自転車で突っ込んだなんて経験は多いだろう、そんな感性を持つ人にはたまらないこのシュチュエーション。当時、特に理由もなく遅刻欠席を繰り返していたスクールエスケイパーの僕がそんな状況で登校を優先させるわけもない。そのゴムボートは同じく冠水しきってしまった小学校に生徒が通うためのものであり、数人の小学生をのせ、恐らくPTAかなにかの人がボートを漕ぎ小学生を送る。僕はのんびりと、迂回もせずに遅刻を確定させ、小学生が登校しきるまで待つ。役目を終えたボートはその場に放置される。僕の少し後からその場にやってきたH君と顔を見合わせると僕らはその場に自転車を置き、黙ってそのゴムボートに乗り込んだ。

 このボート、推進力は櫂なんて上等なものは用意されていない。ただの長い竹棒をつっかえ棒にして水底のアスファルトを突っついて進むのだ。用意された棒は一本だったか二本だったか、とにかく二人でもなかなかうまく進まなかった。まっすぐ進もうとすれば一本で真後ろの部分を強く突っつかないと進まない。ずれればグルグル廻ってしまう。二人でゲラゲラと笑い試行錯誤しながら住宅街に入り込んでいく。僕らが学校をサボっているダメ学生であることは一目瞭然だろうに、冠水の対応に追われている人達は僕らを見て笑顔でおはようなんて挨拶してくるものだから僕は苦笑いを浮かべるしかない。「頑張ってね」って、なにをだい。当時はアニメ・漫画で人気のARIAがあり、感覚的にはゴンドラ漕ぎで、まさしくここはヴェネツィアですよと思いながら水底をこつんこつんと突っついていたっけか。

 下品な笑い声を辺りに響かせながらその日は一時間くらいボートを漕ぎ、結局それに満足して学校に行かずに家路についたのだった。その途中で僕の自転車のチェーンが外れてしまったけれど、H君は意に介さず僕を置いて帰宅してしまったけか。あぁ懐かしき水没都市。僕のロクでもない青春の一ページをありがとうよ。今でも大雨の日にはボートは駆り出されるのだろうか。

 

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